こんにちは!
「にじいろ南信州」運営の伊藤です。
当サイトにご登録いただいているメンバー様を、運営だよりにてインタビュー形式でご紹介しております。
今回のインタビューは、高森町でデザイナーとして活躍していらっしゃるKISSA DESIGNの本田真帆さん。
地域の方と顔を合わせて事業を作り上げていくことにこだわる本田さんのスタンスについてお伺いしました。
—高森町を拠点に活動されているということですが、本田さんは移住者でいらっしゃいますか?
<本田さん、以下本田>はい。夫が元々、大阪で社会人野球をしていたのですが、選手引退後のキャリアとして農業に挑戦したいという話になりました。全国の自治体の話を聞く中で、南信州は新規就農者への支援が手厚いと知り、JAの研修制度を活用して移住を決めました。
現在は研修2年目で、夏はきゅうり、秋冬は市田柿を作っています。来年4月からは農家として独立予定です。地域の皆様のサポートのおかげで親族に農家がいない私たちでも「やっていけそうだ」と感じています。
—就農へのご不安は無かったのですか?
<本田>事前に疑問点はすべて質問し、何度も現地訪問もしました。近隣農家さんに一年の流れを教えていただいた上で判断できたので、大きな不安はありませんでした。来る前からしっかりサポートしてもらえていたのが大きいです。
—本田さんご自身が展開されている事業内容を教えてください。
<本田>南信州エリアの事業者さんを対象に、ホームページ、チラシ、パンフレット、名刺、SNSデザインなどの制作をしています。地域密着型のデザイナーとして、お客様と直接お会いして一緒につくることを大切にしています。
また、Canva公式クリエイターとしてCanvaレッスンも行っています。その他にも、これから起業される方向けのマーケティング講座やフリーランス同士でスキルを持ち寄る交流会なども開催しています。
ご相談いただくお客様は、起業初期の方やこれから何か始めたいという方が多く、「誰に向けて何を伝えたいか」がまだ整理できていないケースも少なくありません。その場合は、いきなり制作に入るのではなく、ブランディング支援として一緒に方向性を考えるところからスタートしています。
—屋号に込められた想いをお聞かせいただけますか。
<本田>元々は求人広告の営業職でデザイナーではなかったので、デザイナーにデザインを依頼する=大掛かりなイメージがありました。実際にデザイナーとして活動し始めてから、大きな制作会社やデザイン事務所に依頼するほどではないけれど、デザインについて相談したい、依頼したいという方がいることに気付きました。そんな人が喫茶店でお茶をするように、デザインについて気軽に話せる存在でありたいと思い、「KISSA DESIGN」と名付けました。
—屋号の狙い通りのお客様が来ている印象はありますか?
<本田>そうですね!「即納でデザインはお任せで!」という方はほとんどいなくて、一緒に相談しながら作りたいという方が多いです。お客様とお話ししながら、本当に必要なものをご提案するようにしています。
—ご経歴、創業のきっかけや経緯を教えてください。
<本田>愛知県の大学を卒業後、株式会社マイナビで求人広告の営業をしていました。結婚・妊娠をきっかけに退職し、しばらくは専業主婦として過ごしていました。
高森町への移住をきっかけに、農業に前向きに取り組む夫の姿を見て「私も好きなことを仕事にしたい」と思い、デザインを学び始めました。最初は全国向けにオンラインで仕事をすることも考えていましたが、地域の方々と関わる中で、高森町や南信州の魅力が十分に発信されていないことにもどかしさを感じるようになりました。
外から来た立場だからこそ見える視点を活かし、地域の事業者さんとこの町の魅力を一緒に伝えていきたいと思い、地域に特化した活動を選びました。
—主にどんなお客様(業種・地域)を対象にしていますか?
<本田>9割ほどが飯田市の方です。高森町の方はCanvaレッスンによく来てくれます。
—お客様の顔を見ながら、というところを大切にされている印象を受けますが、創業のきっかけのところで最初は全国対象オンラインで想定されていたとおっしゃっていましたが、地域で一対一でお話するのと何が違うと感じられますか?
<本田>実際に会って話すことで、言葉にされていない想いや、事業者さんが気づいていない魅了、その事業者さんらしさを感じ取ることができます。自分の目で現場を見て初めて気づくことも多く、それをデザインに反映できるのは対面ならではだと思っています。飯田市内の歯科医院様のInstagramのデザインと名刺制作の依頼をいただいた時の話なのですが、事前のヒアリングシートでは医院の特徴として「小児歯科に力を入れている」と記載がありました。実際に医院を訪れてみると、木の温もりが感じられる素敵な内装に、お子さんが安心して、楽しく歯医者に通えるような工夫がたくさんありました。
実際に訪れて感じたことや、お話ししたことを踏まえて「この歯科医院さんらしさ」を大切にしたデザインと、木の温もりが感じられる院内の雰囲気に合わせたクラフト紙での印刷をご提案しました。お客様に「とっても素敵でうちっぽいです!」と喜んでいただけたことが、とても印象に残っています。
—ブランディング支援について教えてください。
<本田>“ブランディング”というと大げさに聞こえがちですが、「誰に何を伝えたいのか」「どんな理由で選ばれたいのか」を一緒に整理することだと考えています。ブランディング支援では、ヒアリングとワークを通して、「誰に何を伝えたいのか」「何のためにそのサービスをしているのか」という軸を見つけ、その軸を表現するためのブランディングシートを作成します。ブランディングシートとは、その人らしさを表すためのフォント・カラー・世界観・キーワードなどをまとめたもので、作っておくとInstagramの投稿などちょっとしたデザインを自分で作るときに迷うことがなくなるのでおすすめです!
—統一感は大事ですものね。
<本田>そうなんです。私は、統一感がないと少し残念に感じてしまうタイプで。例えばお土産でお菓子をいただいたときに、紙袋やパッケージ、リーフレットまできれいに揃っていると「可愛い!」と思うのですが、どこか一つでも手を抜いたように見えると、どうしても気になってしまいます。
だからこそ、すごくお金をかけて全て完璧に揃えるというよりも、まずは「残念だな」と思うポイントを減らすことが大切かなと思っています。お客様の今できる範囲で、必要なところを一緒に整えていく。そのお手伝いができたらいいなと思っています。
先日SNS講座を担当した際も、いきなり操作方法やデザインの話はせず、「誰に何を伝えたいのか」「どう思ってほしいのか」といった土台の部分をじっくりお話ししました。そこが定まっていないと、見た目はきれいなデザインでも想いが伝わらないんですよね。
また、デザインを作るだけでなく、事業者さんを支えるためにはマーケティングの視点も必要だと感じています。ただ、「マーケティング」という言葉に抵抗を持たれる方も多いので、Canvaレッスンなどの中でデザインを考えるときに必要な知識として自然にお伝えするようにしています。

—webサイトと印刷物の作成について心がけられていることを教えてください。
<本田>作ったものを「どんな人に見てほしいか」「何を伝えるために作るのか」というところを大事にしています。先日、MEO運用支援(GooleMap運用代行)をされている方の名刺を作ったのですが、最初にヒアリングした際には名刺に「MEO運用代行、氏名、問い合わせ先」を入れたいというご依頼でした。ただ、地域の方々が「MEO運用代行」と聞いてもピンと来ないですよねというお話しをして、どんな人のどんな悩みを解決するサービスなのかといったところを一緒に整理しました。それを踏まえて、名刺に載せる肩書を「地域のお店の集客サポート」という文言に変えました。また、裏面には「こんなお悩みありませんか?」といった形で、GoogleMapや集客に関する具体的な悩みを掲載して、名刺を受け取った方が「何をお願いできる人なのか」をわかるようなに工夫しました。
お客様に言われたままのものを作るのは、Canvaを使えばお客様自身でもできてしまうので、見る人がきちんとわかるかとか、渡す人がどんな人なのかなどをしっかり話し合うようにしています。
—貴社のHP上に載っている制作事例を拝見すると、フェミニンな雰囲気のデザインが多いと感じるのですが、それは勉強されたものですか?それともご自身のデザインセンスから来るものですか?
<本田>女性のお客様が多くて、サービスのターゲットも女性というケースが多いのでそのようなデザインが多くなるのかなと思います。以前、フットボールクラブのHPを作ったのですが、「選手が自慢できるようなHPが欲しい」というご要望だったので、もうそれはカッコイイに振り切って、ここの選手だと胸を張って言えるようなものを作りました!
デザインは私の好みではなく、「お客様が誰にどう見せたいか」を軸に考えています。なので依頼内容や目的に応じて、デザインのテイストは柔軟に変えています。
—Canvaレッスンについて教えてください。
<本田>マンツーマンまたはグループでオフラインで開催しています。一緒にPCを操作しながらCanvaの操作方法でわからないところを解消したり、便利な機能や時短術などをお伝えしています。お友達同士で開催をご依頼いただく事もあって、みなさんワイワイ楽しく参加してくれます。
操作方法を覚えるだけでなく、デザインの考え方も合わせてお伝えしています。
—多くの方が時代はCanvaだと感じられていると思うのですが、レッスンのニーズはありますか?
<本田>はい、ありますね。私自身、依頼を受けたデザイン制作ではCanvaでは表現しきれない部分も多いため、他のソフトを使っていますが、お店をされている方や企業の広報担当の方が使うツールとしては、とても便利だと思っています。
Canvaのいいところは、うまく活用できるとデザイナーじゃなくても世界観が統一された発信を続けられること。テンプレートを上手に活用し、自分のお店やサービスに合う色やフォントにアレンジすることで、無理なく整った印象を作ることができます。
ただ、人気のテンプレートをそのまま使うと、どうしても似たデザインになりがちです。レッスンでは「なぜこの色やフォントを選ぶのか」「どんな印象を持ってもらいたいのか」といった考え方を大切にしながら、テンプレートを自分らしい形に整える方法をお伝えしています。
—イベントを熱心に行っていらっしゃいますが、どんな効果がありますか?
<本田>イベントで出会った方からデザインを依頼いただくことも多いですが、一番の効果はイベントを通してこの地域で活動する色々な方と繋がれることだと思います。
フリーランスは一人でできることに限界がありますが、イベントを通してさまざまなスキルを持つ方とつながることで、「この人と一緒ならこんな案件にも挑戦できる」と仕事の幅を広げることができます。特に大きな案件になると、デザイン・写真・取材など複合的なスキルが求められる場合があるので、他のフリーランスの方と連携することでチャレンジできるのは大きな強みです。
ジャンルは違っても、仕事への想いや悩みが共通していることも多く、刺激を受けたり、新しい視点をもらえる場にもなっています。フリーランス同士だけでなく、役場の方が参加してくださることもあり、地域で活動する人たちの考えを知ってもらう機会にもなっています。
—お客様から特に喜ばれた印象的な事例を教えてください。
<本田>完成したデザインを喜んでいただけるのはもちろんですが、それ以上に「本田さんと一緒に話しながら作れたのがよかった」と言っていただけることが多いです。
「これからサービスをどうしていきたいのか」「どんなお客様に来てほしいのか」といったことを、じっくり話せる相手は意外と少ないのかなと思います。特に一人でお仕事をされている方は、孤独を感じている方も多いですよね。
AIやデザイナーが増える中で、成果物だけでなく、その過程や対話に価値を感じて私を選んでいただけることは、とても嬉しいです!
—それでは、これから「にじいろ南信州」についてお伺いしていきます。にじいろ南信州が意図している事業者同士がマッチングすることによって生まれるシナジーに何を期待しますか?
<本田>自分ができること、デザイン制作やCanvaの活用、ブランディングなどで困っている事業者様がいたらお役に立てたら思って登録しました。私の普段の活動の場はInstagramや主催するイベントがメインなので、まだそういったところで繋がれていない方やそこでは出会えない方と繋がれたらいいなと思っています。
—今後に向けてPRしたいことがあれば一言お願いします。
<本田>ブランディング支援やトータルでのデザイン制作には今後力を入れていきたいと思っています。特にこれから起業や開業される方、新しいサービスを始める方、会社が代変わりする方にはこのタイミングでぜひブランディングの見直しをおすすめしたいです。どんな方でも本業が一番大切なので、デザインやSNS発信は少しでも負担を減らせたらいいなと思うんですよね。そのために最初にブランディングするというのはとても大事です。あとは私自身も子育てをしながらフリーランスとして働いているので、これから起業を考えているママさんの子育てと仕事の両立についての相談にも乗れたらと思っています。人と話すことは大好きなので、「本田と話してみたい!」と思ってくださる方がいればいつでもお気軽にご連絡ください。
ほんわかとした雰囲気を身にまとう本田さん。肩の力を抜いて何でも相談できそうな方なので、お話ししてみたい方はぜひコンタクトを取ってみてください。
KISSA DESIGN HP
