メディコーデ大曽根さん

こんにちは!

「にじいろ南信州」運営の伊藤です。

当サイトにご登録いただいているメンバー様を、運営だよりにてインタビュー形式でご紹介しております。

今回のインタビューは、2025年の飯田市ビジネスプランコンペにて見事最優秀賞を受賞されたmedi coorde(メディコーデ)の大曽根康人さん。

クローンAIというちょっと難しい先端分野をいかに私たちの生活に取り入れるか、そして医療現場に活かすストーリーなどを伺いました。

 

ビジコン最優秀賞おめでとうございます。私も選考会のプレゼンの際に会場におりました。ご専門のAIを使ってプレゼン資料をご製作されたかと思いますが、審査員の心に刺さるプレゼンをすることに関して気を付けられたことはありますか?

<大曽根さん、以下大曽根>専門性を自分が持っていないと刺さるようなものにはならないので、そこには気を付けました。元々医療系営業の仕事をしていたこともあり、今回の飯田市の課題に関しては2点、着目しました。一つは、言葉や想いを出しづらくなってしまうような病気の方が一定数いらっしゃるという点で、そういった方が本当に困っていることを深掘りし、端的に伝えることの重要性を感じながら取り組みました。そしてもう一点は、近年、医療機関の倒産や経営難が増えているということは、メディアなどを通じて多くの方がご存じだと思いますが、その実態がいかに危機的で、どこにボトルネックがあるのかという点にもしっかり目を向けて、情報を捉えていきました。その上で、「人を模倣するクローンAI」や「医業経営アシスタントAI」に関するスライドを作成し、審査員の方の心に届くプレゼンテーションを意識して構成していきました。表彰式の際には、審査委員長の方が「満場一致だった」とお話しくださり、その理由として、「専門性があること」「飯田市の課題を考えていること」「その上で自分ができることを形にしていること」が一番のポイントだったと語ってくださいましたが、それはまさにその通りで、これはこの先何十年も課題視されていくであろうテーマであり、私はその課題解決に向け、AIと切磋琢磨しながら仕組みをつくってきたつもりです。それを今回のプレゼンで体現できたことは、ある意味デモンストレーションのような意味合いも含んでいたと考えています。
実は今回のプレゼン資料は、私が作ったというよりも、私のクローンAIが作成したものなのです。私のクローンAIは、もちろん「伝える」こともできますが、それ以上に「伝わる」ための思想的な部分まで模倣させています。実は、元々アドバンテージがありました。私はMR(医師や薬剤師の方々に医薬品情報を提供する仕事)という職種で、これまで20年間にわたり、約1万回ほど講演や説明会をしてきました。その中で、限られた時間内に話すスキルや、構成力、スライドの組み立てには自然と慣れていった背景があります。今回のプレゼンにおいても、どれくらいの文字数が伝わりやすいか、どこで息をつくと印象に残るか、そういった細かい部分まで、クローンAIと一緒に設計していったという流れがあります。

 

「伝える」と「伝わる」は違う、というのは昨今多くの方が言い始めていますよね。

<大曽根>知識は持っているけれど伝えきれない方は意外と多く、特に専門的なスキルを持った方々にその傾向があるように思います。スティーブ・ジョブズは技術者ではなく、マーケティングとプレゼンテーションが非常に優れていた人物です。彼があそこまでのし上がってきた背景には、技術者の頭の中を模倣しながら、それを言葉にして伝えていくという力があったのだと思います。世の中には話すのが得意な方もいれば、そうでない方もいますが、それでも同じだけの価値が評価されるべきではないかと考えています。もし革新的なものや唯一無二のアイディアを持っていらっしゃるのであれば、それを伝える参謀役としてAIを活用していただきたい、人の思考を模倣し、使いやすい形に整えていくという部分で、私の方でお力添えができればと考えています。

 

—AIに自分を模倣させるメリットとはどんなところでしょうか。

<大曽根>書類など全般的に、その人を模倣させることができるので、使っていただいた方が間違いなく楽になりますし、余った時間を他のことに費やしたり、成長のために資格を取ったりすることもできます。そういった意味でAIを活用することで、生活も心もより豊かになっていくのではと思います。結果的に、飯田市の皆さまの平均年収を引き上げるような、お力添えにもなるのではないでしょうか。自分自身のことをお話しすると、実は私は最初、単純に時間が欲しいという想いがきっかけだったんです。昨年、社労士の資格試験を受けていたのですが、その時はMRと管理職を兼務しており、毎日朝6時から夜10時まで働いていました。生活習慣も崩れていた中で、職務負担を少しでも軽くしようと思って作ったのが、「クローラグリネ」(後述)というAIです。お医者さんや上司、関係先などに送るメールって、どうしても気を遣いますよね。でも、それを一つ一つ手作業でやっていたら、時間がいくらあっても足りない。そこで模倣AIに任せてみたところ、1年間で約1000時間を捻出できたのです。メールは130通ほど書いていたのですが、今では1通あたり20秒程度で済んでいます。

 

ご出身はどちらですか?

<大曽根>生まれは更埴市(現・千曲市)です。育ちは千葉と東京です。全国展開している製薬メーカーに勤めていたのですが、入社した当初の4年間、飯田市を担当していました。その時に妻と出会いまして、結婚を控えたタイミングで新潟へ異動になりました。ちょうどその時期に、武田薬品からお声がけをいただいていて、入社5年目の節目にチャレンジしてみようと転職を決意しました。その際に、また振り出しに戻るようにして、再び飯田市の担当になったのです。飯田は私にとって運命的な場所でもあり、社会人として育てていただいた土地です。だからこそ、第二の故郷として骨を埋める覚悟で、今宮の氏子にもなりました。地域の方々にも本当に可愛がっていただいています。私は北信の出身なので、南信という土地がどんなところなのか最初は想像もつきませんでしたが、こんなにも住みやすい場所だとは思っていませんでした。人が温かく、役割を与えてくださり、自分を成長させていただける土地だと実感しています。先日、別のインタビューで「飯田の良いところは何ですか?」と聞かれた際には、迷わず「互助」と答えました。

 

事業内容を教えてください。

<大曽根>弊社は生成AIのカスタマイズを行っています。クローンAI、例えば個人の方であれば、先ほどお伝えしたように、ご本人を模倣して「自分の代わり」を作ることができますし、事業者様向けには営業担当AIなどを構築するようなカスタマイズ事業を展開しています。また、私は医療系コンサルタントの資格も持っていますので、経営コンサルタントとしての支援をさせていただくことも、主な仕事の一つとなっています。

 

屋号に込められた想いについて教えてください。

<大曽根>medi coorde(メディコーデ)

mediamedicalをコーディネートするという意味があります。元々は、経営コンサルという言い方が少し苦手だったので、「メディカルコーディネーター」という名前で活動していたんです。これは、生成AIを使う以前の話になります。医師の先生方の診療報酬などをコーディネートしていくような取り組みを、ボランティアで続けていました。

 

創業のきっかけや経緯を教えてください。

<大曽根>創業は20255月になります。会社員をしていた中で、ちょうど早期退職というタイミングも重なりました。まずは辞める前に、医師の先生方にアンケートを実施し、今どんな課題を抱えているのか、何を気にされているのかなどを伺いました。そして「もしこれらの課題を私が解決できるとしたら、費用をお支払いいただけますか?」と質問したところ、「無理です」と言われたんです。理由は、コンサルタントは一般的に費用が高い、すぐに来てくれるわけではない、と。私はこれを先生方の「要望」だと捉えて、何か解決策はないかと考えたのがきっかけです。費用が高いというのは、人件費がかかるから高いわけですし、すぐに来られないというのは、他に予定があって時間が取れないから。つまり、人が関わるから難しいのであって、人でなければ良いという話になるわけです。そこで私は、私自身が実践していたメディカルコーディネーターとしての模倣を作るというアプローチに至りました。現在はそのクローンAIをクライアントである先生方にご利用いただいており、すでに一定の成果・利益が出てきたことから、より多くの方に実装していただきたいと考えています。病院が経営難や倒産のリスクを抱えているという話は以前から耳にしていましたし、そこに少しでもお力添えできればという想いで、起業を決めたのが一つの理由です。もう一つの理由は、先ほども触れたように、自分の時間がまったくない中で、クローンAIを使って時間を創出してきたという背景です。単に機械に書かせるのではなく、自分のクローンに書かせることができたらというのは、多くの人にとって一度は願ったことがあるのではないでしょうか。これからの時代、AIは使っていかなくてはならない存在ですし、できる限り皆様に寄り添った形で、皆様自身の考えや価値観を取り込んだAI共創していく、一緒に作り上げていくという形の事業は、これまで誰も手掛けてこなかった領域です。だからこそ、実現できたら必ず喜んでいただけると確信していました。今は“1億総活躍とも言われる時代です。病気や精神疾患を抱えている方、時間に追われている方、女性も含めて、誰もが自分らしく活躍していける社会。その実現に向けて、私はこの事業を展開しています。

 

主にどんなお客様(業種・地域)を対象にしていますか?

<大曽根>まずは、お医者様や医療系の方、またその医療機関にかかっている病気をお持ちの方が対象となります。あとは、ビジネスマンで忙しすぎて自分一人ではこなせないと感じていらっしゃる方、もう少しゆとりを持ちたいと考えている方にもご利用いただいています。企業様では、たとえば営業がなかなか育たないということで、「誰かの模倣をさせたAIで学習させたい」といったご相談や、「特定のペルソナを作ってほしい」といったご要望をいただいています。実際に、自動車関係や建築関係のクライアント様向けに、お客様がいらっしゃったらすぐにでも細かいところまで提案できるようなAIを納品しています。最近の例で言えば、飲食店様の季節メニューの提案において、レシピや原価率まで提示できるようなAIを構築したケースもありました。その方がどのようなことを考えていて、何を創造したいのかを教えていただければ、そこに合わせてお作りすることが可能です。

メディコーデ大曽根さん

御社のHPを拝見して、事業の詳細について掲載されていますが、そちらを元に深堀してお伺いしていきます。ビジコンでプレゼンされていた「共存型AI事業(伴走型アシスタントAI作成事業)」についてお話していただけますか。

<大曽根>2つのモデルを出していて、1つはクローラグリネというクローンAI2つ目はケルベルスアシストという3匹の犬が医療を守る医療経営コンサルアシスタントAIです。

 

「クローラグリネ」について教えてください。

<大曽根>その人の話し方や思想、考え方、心情、行動パターンなどを含めて、AIに覚え込ませるというものです。まずはアンケートを取らせていただき、それをもとに私の方で構成を行い、ご提供する「完全依頼型」と、ご本人に作っていただく「伴走型」の2つのスタイルがあります。そして、いずれもその方自身を模倣するという事業になります。完全依頼型の方は、サブスクリプションだけでなく、買い取りにも対応しています。

 

「ケルベルスアシスト」について教えてください。

<大曽根>3匹の犬で構成されています。まず、診療報酬改定の未来予測を行い、自院の経営課題や経営状態を察知した上で、解決策を提示してくれるのが「賢犬(Ken-ken)」です。もう一つは「Chu-ken kuro-suke」という犬で、こちらは保険審査に関するアシストを担当します。私たちが病院に行くと、23割の診療料金を支払いますが、残りの78割はどうなるかというと、医療機関が毎月初旬に、前月分の患者さんの診療明細(レセプト)を支払基金に提出し、そこで審査された後、通った分だけが医療機関に支払われる仕組みです。つまり、審査で漏れるものもありますし、そもそも算定できないものも出てきます。現在は電子カルテや電子レセプトが導入されていて、必要な情報を入力すれば「これを取ってください」といった指示は出ますが、審査で戻されたものに対してどう返答するか、つまり返戻に対する返書の書き方など、そうしたアイディアまでは出てきません。そうした痒い所に手が届くようなコメントを生成してくれるのが、この「Chu-ken kuro-suke」です。このAIには、過去19年分の支払基金の審査報告書を学習させており、診療で困るような場面にも、約90%は過去のデータから対応できるように設計されています。電子カルテが導入されてから20年ほど経ちますが、人的ミスは依然として減っておらず、「どう書けばいいのかわからない」といった声を下支えする存在になれればと考えています。これでオフェンスディフェンスの両面に対応できるようになります。オフェンスでは、「賢犬」が診療報酬の改定予測を行います。診療報酬は審議会で週に2回ほど議論されており、これは生でしか聞けない内容です。それを私がすべて聴講し、要約したものを「賢犬」に学ばせています。そのため、過去の変遷も踏まえたうえで「こういう議論が出たら、このような点数になるだろう」といった予測ができるようになります。AIは未来予測、たとえば地震がいつ起こるかといったことは苦手ですが、過去に類似のケースがあれば答えを導き出してくれるものです。これをフューショットプロンプティングと呼びます。たとえば「昨晩○○を食べたので、今夜は何を食べたらいい?」といった質問には答えられる、そういった考え方です。診療報酬は、私がコンサルタントとして活動してきた9年間で5回改定されており、その変遷も学ばせています。診療報酬改定は3月に改定、4月に施行されますが、3月になってから対応しようとしても間に合いません。国は「今年はプラス改定でした」と報告しますが、実際はそうではなく、「実際には取れないような点数」を出してくるのが実情です。例えば、突然「書類を提出してください」と言われて対応できなかったり、「複数の関係者と会議をしてください」「指定の研修を受けてください」と指示されても難しかったりします。実際に診療報酬の65%が取れていないというのが現状で、医療機関の倒産の原因は、この取りっぱぐれにあるとも言われています。だからこそ、「賢犬」を使って、「こういう改定が行われるのであれば、どのくらいの人員が必要か」「会議が必要であれば、事前に実績を作っておこう」といった攻めの対応をし、「Chu-ken kuro-suke」で取りこぼしていた点数を回収する守りの対応も行う、そういう設計にしています。そして、もう1匹の犬が「Chu-ken 8co」で、これは医療経営全体を守る役割を担います。財務や労務といった分野を学習させており、たとえば労働基準法や会計準則、税理士法といった内容にも対応しています。

 

クローンAIアシスタント開発・提供&支援についてお聞かせください。

<大曽根>これは、「あったらいいな、できたらいいな」を形にするものです。ジャンルレスです。飲食店のレシピ開発AIなども構築できるくらいなので、基本的に何でも対応できます。レシピだけでなく、栄養価や原価計算まで行い、お店の方にお見せした際には「この内訳、知ってました?」と驚かれたほどで、それなりの精度はあると思っています。基本的に、どんなジャンルでも相性は良いかと思います。たとえば、自動車ディーラー向けのAIもすでに作って納品しています。上層部向けに講演をさせていただいた際、講演だけでは面白みに欠けると思い、事前に「欲しいAIはどんなものか」をヒアリングしてから、実際に作って持参しました。年齢や家族構成などを入力すると、その人に合った車を提示してくれますし、他社の車との比較もできます。個人でも企業でも、「こういうAIがあったらいいな」と思われたら、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。営業の現場では、若手社員の方が「どんな提案をしたらいいかわからない」といった悩みを抱えているケースもあるそうで、ちなみに先ほどの自動車のAIは「営業マン6人分の働きだ」と言われました。建築メーカー向けのAIも手掛けています。建築業界では、お客様のご要望と営業側の意見に齟齬が生まれることがよくあるとのことで、そのAIに質問すれば、どういう建材で、どういうキッチンで、どのくらいの大きさでといった内容まで全て計算してくれます。さらに、完成予想図の画像まで提示してくれるのです。通常、最初の設計段階ではここまで煮詰めて話せませんが、このAIを使えば、すり合わせが初期から細かく進むため、通常より2工程ほど早く進行できるというメリットがあります。一級建築士の方に実際に見ていただいた際には、「自分よりもすごい」とのお言葉をいただきました。

ただし、AIカスタマイズには一定の制約があります。悪意のある選択を助長するようなもの、法令に抵触する恐れのあるもの、また医療・健康・金融・教育などの分野が該当します。ただ、私は医療分野を手掛けています。実はこの点については、OpenAI社に稟議を通しており、私の事業については、権利やライセンスに関する体制も整えてあります。

 

診療報酬関連セミナーについてお聞かせください。

<大曽根>診療報酬について話せる人というのは、日本でも10名ほどしかいらっしゃらないんです。有名な講師の方の講演では、実務的なところまでは踏み込まれないことが多いんですよ。だから私は、あえてそこまで踏み込んで、「こういう風になっていくから、こういうところを注意して、こういうことを試してみてください」といったところまで落とし込んで講演させていただいています。製薬会社にいた頃から、MR(医薬品営業職)や医療機器営業職の方向けに、そういった内容を伝えてきました。今、医療に関わっている営業職や業者の方が、病院の経営の内情を全く知らずに土足で営業しに行っているような現状があるんですね。かなり大変な思いをされている医療機関もある中で、「買ってください」の一点張りだと、医療機関側からすれば「こちらには何の恩恵もないじゃないか」と思われてしまいます。さらに、MRというのは選別されるようになってきていて、以前は1つの医療機関で10人程度が面談できていたのが、今では先生方にも時間的余裕がなく、113人に絞られるようになってきました。中には、「情報なんてネットを見ればわかる」とおっしゃる先生もいらっしゃいます。MR医師と面談できた回数も実績としてカウントされるため、会えないとなると、結果的に給与が下がってしまう。それって、構造的に大きな問題じゃないですか。だからこそ、医師から「この人は唯一無二の情報を持っている」と認知してもらえれば、面談につなげることができるわけです。実際、私の知人の営業の方で、コロナ禍でまったく医師に会えなかった時期に「経営コンサルの指導を受けました」という旨を、知り合いの医師全員に手紙で送った方がいました。その結果、1か月目でおよそ半分の先生にお会いでき、3か月後には約80%の医師との面談が実現したという実績があります。こういった、痒い所に手が届くような人が選ばれていく時代になっているからこそ、それをちゃんと学べる場をつくろうと、セミナーを開催するようになったという経緯があります。

 

クリニック・病院における経営改善支援についてお話ください。

<大曽根>私がリアルで行うものです。こちらについては、「プチコンサル」というものを始めました。最初にお話しした、医師の方からのご意見——コンサルは費用が高い、すぐに来てくれるわけではない——という点をふまえると、AIを導入するまでもないという方もいらっしゃるんですね。そこで、ワンポイントで1時間毎に私がサポートするという仕組みを提供し始めたところです。全国対応でオンラインにて行っています。たとえば、事業報告書を提出しなければならない医療機関があるのですが、それを人が作成すると、まずリサーチャーと分析担当の2人で、寝ずに取り組んで7日間かかると言われています。実際に寝ながらやるとなれば1ヶ月はかかりますよね。そういった内容の素案を、私は最低10分ほどで作成します。こういったことが、プチコンサルの範囲で対応可能です。

 

お客様から特に喜ばれた具体的な事例を教えてください。

<大曽根>72歳の詩を書くおじいちゃんのクローンAIを作った時には、泣けました。パーキンソン病で手が震えて、思うように動かなくなってしまうんです。パーキンソン病というのは、脳内の神経伝達物質であるドパミンが減少することで、手足の震え(振戦)、筋肉のこわばり、動作の緩慢さ、表情の乏しさ(仮面様顔貌)といった症状が現れる進行性の神経疾患です。特に高齢者に多く、身体の自由が奪われるだけでなく、思うように感情や意思を表現できなくなるという側面もあります。こうした疾患を抱えた方にとって、「伝えることができない」という現実は、自尊心の低下や社会的孤立に直結します。この方は製造業の部長さんというご経歴があって、地域の方々からの目もある中で、「ちゃんとした発言をしたいのにできない」という自尊心が低下してしまっていた方でした。実は、奥様からのご依頼で、旦那様のために──詩も書きたいし、周囲の方への連絡もLINEやメールで行いたい。でも、どうしても自分の言葉が出てこないことがあるらしくて。パーキンソン病特有の仮面のような表情になってしまう症状もあり、コミュニケーションという面では、端的な言葉しか伝えられない。体も思うように動かない。そういった状況の中で、「これは、ただのAIではなくて、UX(ユーザー体験)・UI(操作性)を実現できなければならない」と考えました。だからこそ、音声入力で端的な言葉でもきちんと伝わるような仕組みを作る必要があったのです。ちょうどChatGPTが出てきた時代でしたので、それをベースにカスタマイズしてお渡ししたところ、その方が涙を流されて「ありがとう、僕を助けてくれた」と言ってくださったんです。本当に嬉しかったですね。そういう方というのは、世の中にたくさんいらっしゃる。だからこそ、人が社会生活を分断させずに生きていけるために、この「クローラグリネ」が存在してくれたら、どれだけ多くの人を支えられるかと思うんです。

 

「にじいろ南信州」が意図する事業者同士がマッチングすることによって生まれるシナジーに何を期待しますか?

<大曽根>ジョイントベンチャーをやっていくべきじゃないかと思います。今の時代、1+134になれることってありますよね。南信州の中で、それぞれが頑張っているのではなくて、オール南信州として展開していくのは良いかと思いますし、単に異業種交流会とかではなくて、例えば展示会とかイベントと絡めながらやっていくのもありかと。横のつながりでお食事会をしたりとか。先日のビジコンの受賞者が集まって食事をしようという話も出ています。とにかく一人だけで頑張っているのは限界がありますし、南信州発でみんなでスクラム組んでやっていくのはありだと思っています。

 

今後のご活動についてPRをお願いします。

<大曽根>橋南公民館でAI活用講座の初級編を行います。日程は、

1217()1900〜、23()1300

2回です。これは今回限りではなく、定期開催をさせていただくことを橋南公民館様と話を進めています。

また、「カフェってAI」「バルってAI」というイベントも企画しています。記念すべき第一回は1210()19:00~、飯田市内の「三の蔵」さんで開催予定です。この企画も飲食店様の空き時間を有効活用して、そのお店のカフェやお料理を楽しんでいただきながら、今日から使える実務的なAI活用術が学べる場として、現在色々な飲食店様にご提案しています。もしご協力いただける飲食店様がいましたら、是非お声がけください。

それから、献立提案AIも作っています。家族構成や病歴などをあらかじめ記録しておいて、あとは冷蔵庫にある食材を写真でアップすれば、レシピ、栄養素、塩分の調整など、その家庭をパーソナライズした完全栄養献立がすべて表示される仕組みです。毎食の献立を考えるって本当に大変じゃないですか。私は自宅の家事を担当しているのですが、このAIには本当に助けられています。実はこのAIを作る前から料理はしていたのですが、正直、美味しくないと言われてしまっていて。でも、AIの指示通りに作ってみたら「何か変わった?」と言われるようになりました。それもそのはず、「料理の鉄人」をベースに作ったAIですから(笑)。体重も検査値もたった4か月ですっかり正常になりました。

さらに、企業様からのご依頼での研修会や、こういう勉強をしたいという内容の講習もお受けしています。たとえば、社内のAI使用ガイドラインや禁止事項などについての規約作成のサポートも行っています。

補助制度として、「人材開発支援助成金」の中に「人への投資促進コース」というものがあり、サブスクリプション系の研修であれば、中小企業で60%、大企業で45%の経費助成が受けられます。こちらは、私が講師をする際の費用にもお使いいただけます。

私の事業についてですが、「誰でもいらっしゃいませ」という気持ちでやっています。時間と心の「ゆとり」を持って、生活を「豊か」にしたいという方は、ぜひ一度ご相談ください。弊社の理念がまさにそれです。
日々の仕事や家事が大変だとか、経営者の方であれば人が足りないといったお困りごとは、少なからずあると思うんですよね。そういう時にこそ、AIの力が活きると信じています。

ただし、よくあるAIをそのまま使ってもうまくいかないことも多いですので、弊社の方で、使いやすく、リーズナブルにカスタマイズさせていただきます。
まずは相談だけでも大丈夫ですので、ぜひご連絡ください。

 

メディコーデ大曾根さん

ちなみに大曽根さんは、ビリヤード選手として長野県代表という別の顔もお持ちです。そんな多趣味な大曽根さん。とても話しやすい方なので、medi coordeの事業にご興味ある方はコンタクトを取ってみてください。

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